自動車整備士を目指して
幼い頃、家族は自動車関連の仕事をしていました。 まず、祖父は老舗のタクシ会社に勤めており、自宅の隣は、このタクシ会社の自動車修理工場で、若い整備士さん達が油まみれになって、エンジンの修理、事故による車体のへこみ、破損の修復等の修理作業をやっていました。
又、父も自動車鈑金工(車体のへこみをハンマーやガス溶接機等を使い、手作業で修復する技能士)として、自動車関連の仕事に携わり事業を営んでいました。 技術が大変優れていたらしく、馴染みの顧客より「T型フォード」のレプリカ(実物大の車体のみ、エンジン無し)をつくってもおりました。
このような環境化の中に育ちましたので、自然と自動車が好きになり、私も自動車関連の仕事に就きたいとの思いで、大学には進学せずに、工業高校の自動車工学の分野に進みました。 そこで、自動車の構造、エンジンの仕組み・整備、自動車運転等の関連技術を学び、自動車整備士への道を選択しました。
自宅では、父が自動車修理鈑金工場を営んでいましたので、夏休み・冬休み期間は、父の鈑金作業を手伝っていました。 自動車のへこんでいる個所にガス溶接機の火であぶり、赤くなった時、水で急冷するとへこみがなくなったり、へこみより少し離れたところを同じように処理すると、歪がなくなったりとかします。その都度違いますけど…。 鈑金加工は、不思議でもあり面白くもありましたので、興味も募り卒業後は継承しようかなとも思っておりました。
しかし、当時は高度成長期でもあり、忙しくはありましたが、この鈑金という修復作業は、破損した個所を取り換える部品交換へと転換し始めており、これからは、鈑金作業の市場は減少していくとの事でした。
特殊車両メーカーに入社
機械工作技術の習得
そこで、事業を継ぐのを取り止め、特殊車両(タンクローリー、電柱工作作業車、諸々の特殊作業関わる専用車両)を製作している会社に入社いたしました。
各種部品設計図を基に各種鋼材(丸棒・板材等)を用いて工作機械で、部品を作り上げ、それらを組み上げて一つの装置にしていく技術を学びました。
一品一様の特殊車両を製作するには、無数の部品が必要となり、それなりの加工方法を部品図にて加工順序、加工指示を行い、進捗状況の掌握と重労働でしたが、自分が携わった部品で、自動車が働くて面白いじゃないですか。 これらの習得が後日、活かされることになりました。
部品加工のコストダウンに挑戦
部品加工のコストダウンに挑戦。特許申請も可能と思われる部品も数点発案し採用されて、長期間使用されていました。 なぜ溶接しなければならないの? なぜ鋼材を使わなければならない? とか、発想の転換だけですけど(笑) 工作現場を熟知?していたからでしょうか。一歩離れた目線で考えていましたね。
その後、別の業種も知りたいと思い、建設関係の特殊分野、スイミングプール、レジャープールのメーカーに転職しました。
プール本体の製作技術は、前職で学んでいた技術で満足でしたが、プール現場での組み立てマニュアル本が不足していたので、新たに作成しました。長年現場打合せなどで使われていたようです。
プールメーカーで腐食防止技術を学ぶ
ここでは、腐食防止技術を学びました。プール本体の底板とコンクリート基礎間には、砂を敷いていますが、この砂と底板との間に鉄釘などの金属が入っていると、触れている個所より腐食が始まり、穴が開き水漏れが発生します。
これを防止する方法として、接触する面には腐食防止用の塗装を施します。他にも、腐食発生の原因となる事が多くあります。簡単に目に見えない個所ですので・・・
プールで水漏れが発生すると非常に大変です。まず、それらしき水漏れ個所に潜り、その付近に青インキ等を垂らして、一か所、一か所と調べていきます。そこが原因で漏れていれば、青インキが吸い込まれていきます。
小さな破損個所であれば浴槽の水漏れ補修材みたいな物で補修。発生個所が大きければ、排水してからの補修となり大変でした。身体がふやけてしまいますし、真夏は、熱射病になりかねない。嫌でしたね(笑)
プラスチックミニカプセルのメーカーに転職
超音波加工・洗浄技術を担当
ここでは、まず極細ガラスアンプル加工技術に出会い、太さ3ミリ程度のアンプル成形を学びました。
簡単に言えば、太麺を引き延ばして細麵としていく方法ですね。太いガラス管を熱して、ローラーで細く引き延ばして成形するのです。
他にはプラスチックチューブを封入加工する技術がありました。チューブを成形型に差し込み、加熱してチューブの端を溶かし、冷やして固め封入する加工方法です。その改良技術として、超音波発生器に成形型をとりつけて超音波が出す熱を利用して成形する技術です。
これを利用しての成型機を製作し、無人で自動成形が可能となりましたね。面白かったですね。
又、そのチューブの中を洗浄するには、これらのチューブを容器内にいれて超音波の振動で洗う、洗浄技術でした。 洗浄技術に携わるのは初めて出したので興味があり、この技術がエアコン洗浄に生かせるとは…。当時は、気づきませんでした。
エアコンクリーニングと出会う
工場管理にも携わりました。春先、エアコンを冷房として使い始める時、パートさん達が、くしゃみやせき込む光景が目に留まることがありました。 そこで工場の環境を調査することになりました。
その結果、工場内の空気が澱んでいるとのことで、早速環境改善として換気扇の補充等を行い、換気対策をとりました。エアコンも汚れているとのことでしたので点検すると、フィルターはもちろん、エアコンの中は、埃、綿ごみ等でひどく汚れておりました。
そこでエアコンメーカーに依頼してエアコンクリーニング致しました。すると翌日は、あのくしゃみ、空咳の光景がなくなっていました。毎年、環境対策をしなければと反省しました。
業務用エアコンクリーニング専門店として独立
そして、あのリーマンショックが発生、年齢的にリストラになりました。この年齢での就職口には、なかなか出会えずに弱っていました。その折、空調機メンテナンス会社に勤めている友人から、エアコンの故障は、汚れが原因なのが多いと聞き、汚れでエアコンは洗ったことかある事を思い出しました。
前職で洗浄する作業を見ていましたので、今からは環境維持が問題になると思いたち、直ぐにダイキン工業㈱の研修を受けて独立しました。
洗浄剤の安全性(化学薬品)に疑問
創業してみると、不安が、疑問が・・・。
ある日、作業中に使用していた市販品の洗浄剤(液)が作業服に付着してしまいましたが、そのまま作業。作業終了後、ふと付着したところを見るとポッカリと穴が開いていました。
なぜ?。これは危険だと思い、まず、使用していた洗浄剤は何か?その洗浄剤は、洗浄力を高めるために、水酸化ナトリウムを成分としている洗浄剤でした。
辞典で調べると「水酸化ナトリウムは強アルカリ性で腐食性(苛性)があり、水酸化ナトリウムが皮膚に付着した状態を長時間放置すると皮膚表面のタンパク質が溶かされて肌がぬるつく感じになる。」と掲載されてありました。
それから各メーカーの洗浄剤を取り寄せて研究し始めました。数多く試してみました。環境にやさしいと記載の洗浄剤、でも洗浄作業完了に時間がかかりすぎたり、ある洗浄剤は汚れの落ち具合が満足いかなかったりとかの繰り返し。
そのような日々に、これと思われる安全で、作業時間が満足できる洗浄剤(ミネラル・食品添加物等を成分)等に出会いました。高価ですが…(笑)。
そして、血液の中にも18%含まれている、自然環境にもある重曹を加工した特殊な洗浄液とも出会いました。重曹は化学物質の毒性を消す機能もあります。これらをミックスして、安全な環境を目指してエアコンのクリーニングをしています。
ホームページ内に洗浄液の安全性の試験動画がありますので、是非ご覧ください。
除菌効果を維持させたい
除菌とは、菌を取り除くことで、効果は一時的です。
感染を防ぐには、定期的に除菌作業を繰り返す必要があります。長期間、ウィルスや菌の増殖を抑制するには「抗菌剤」の施工が必要と思えます。
流通している光触媒の抗菌剤は、紫外線や蛍光灯の光を必要とし、エアコンフィルター表面には効果があると思えます。
しかし、光が届かないエアコン内部には適しません。そこで、また調査です。長い時間がかかりましたが、日常降り注いでいる安全な自然の放射線の効果を利用した抗菌剤とめぐり逢うことができました。
しかも、効果が3年間ほど長期間持続するとのことです。勧めているエアコンクリーニング(洗浄)の定期メンテナンス期間に、ピッタリです。除菌洗浄と抗菌剤コーティングのセットでの定期メンテナンスはいかがですか?
洗浄方法の改善
通常、高圧洗浄機で汚れを落としていきますが、汚れの頻度によって洗浄時間が長引くこともあります。
そこで前職で生産設備にも携わって経験していました超音波技術のひとつ、超音波を利用した洗浄方法を思い出し、マイクロバブル発生器等の各部品を取り寄せて機器を作り上げ、現場にて使用。汚れが激しい箇所には最適ですよ。ここで、役に立つとは・・・。
今、他メーカーさんのテレビCMで「マイクロバブル」を利用したシャワーヘッドが流れていまね。あれの強力なものですね。
今までの経験をもとに、新しい技術へ挑戦。安全な環境で、素早く、きれいにできるようにと日々追及しています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
代表 常岡 忠央